スティックシュガーがなくてもブラックも良い
そんな寝ぼけ眼の朝みたいな1日でした
すべての部屋に君だらけで、だから君の部屋で寝ました
瞼を閉じれば君の部屋で見た偽物の世界が眼下に広がり
「ああ、私の猫はまだ生きていた」と幻覚に近い現実にぶん殴られれば
幸せが宙返りとバク転を繰り返して枕元に立ち
「さそりのポテトサラダが食べたい」と世迷言を吐くので
眠い目を擦りながら私は君のキッチンでずっと包丁を探しているのでしたとさ
めでたしめでたしから始まる恋も、いいではないでしょうか
スポンサーサイト
貴女を想って描いた絵が貴方の目に触れることもなく
インターネットの片隅のゴミ箱に捨てられています
どこにも届く事のない事を知らずに私はゴミ箱に向かって絵を描きます
きっと貴女でない人が拾って見てくれるこの絵は
何の価値がありそして、燃えるゴミなのでしょうか?燃えないゴミなのでしょうか?
その答えは私の描くアルルカンだけが知っていて
いつもニヤニヤと私を小馬鹿にしながら笑うのです
もう描くのは辞めにしよう、私の為だけに生きよう
そういいながら私は貴女を想いまた筆を握るのでした
君のいない誕生日はセロリの生えた月面で
アームストロングが宙返りを繰り返しています
地球からはそれが観測できないので
既に存在している貴女をぶん回すのです
右には貴女
左には貴女
上には貴女
下にはセロリ
どれに話しかけてもセロリの言葉しか聞こえず
何事もなかったかのように風は凪いで
凪いだ風の暴風雨の中でポツリと私は
「それでも貴女を愛さざるを得ないのでしょう」と
言葉にならない言葉を吐いてウーロンハイを吐き出すのでした
午前四時のベースラインが頭の中を行ったり来たりする時
環状八号線では私のモルカーが煽り運転を受けています
それはさながら冬の大三角形のように夜空に咲くのですが
初夏の日の出は早くちっとも夜空に映えないのですべて燃やしてしまいました
そんな目覚めが毎朝私に長刀をもって襲い掛かるのでちっとも眠った気がしません
私の世界のビバリウムには貴女と私とその他大勢しかいないのに
貴女が私を避けるのは私が気狂いだからなのでしょう?
普通の男はモーガン・フリーマンにラブレターを送ったりしないし
トランクスだけを被って月夜の墓場で踊ったりもしない
ましてやエビフライにコールタールを塗りたくって食したりしないし
窓ガラスを破りながらフリーセックスについて叫んだりもしないし
笑福亭鶴瓶をスレッジハンマーで殴り殺したりもしないし
飛行機を食べたりしない、ヘリコプターを輪姦したりしない、フェラーリを沈めたりしない
貴女は私のこんな気狂いな所が嫌いなのでしょう?
でも私は貴女が振り向く唯一の手段を知っています
それは貴女をいつまでもどんな事があろうとも愛し続ける事だけです
いつまでも愛しています、それは牢獄の中からでも一緒です
いつかこの世界を貴女と私しかいないビバリウムにしましょうね
いつまでもこんな日々が続けばいいのにと
死ぬしか無くなった最後の夜を楽しんでいます
やはり私が生まれてきた事は間違いではなかったと
間違いだらけの再発見を頭蓋に何度も写すのです
なぜ産まれてきたのかと何度も尋ねられてきましたが
つまらない事に意味があるのはつまらないと
スケトウダラを捌いているのは満月の日
気持ち悪い私はオホーツクに消えます
でも忘れないでください
砂肝は美味しいというただ一つ唯一無二の事実を
貴女の手が躍る
それ以外に私の手を躍らせる意味はあるでしょうか
明け方に見た月は真っ赤で夜に来た揺れは大きく
全ての感情がぐちゃぐちゃになってしまうのが怖くて
30錠の薬に頼った夕方に朝ドラの内容は入ってこないのです
私には貴女がいて私には貴女がいる
そして私にとって重要な貴女がいて貴女さえもいるのです
そして貴女というものが貴女になり私にとっての貴女になったら
チェックメイトの時間は近づいています
処刑人の縛る首括りの縄がキシキシと言っています
貴女は私にとっての貴女のまま私は処されるのです
ただし時系列はいつまでたってもバラバラです
だから最後に時計の針を1時間だけ、進めておくのです
空の雲がコマ送りのように流れ
カーラジオから流れてくるポップスにシンクロした時
少し開いたビニールシートの隙間から見えたのは
上尾市の滅びていく街でした
いえ、もう滅んでいたのかもしれません
だってムクドリは一匹も見かけなかったし
ノコギリトンボは偏西風に乗っていたし
リュウゼツランの大木も切り倒された後で
奥入瀬川だった窪みには団地が立ち幸せそうな家族が住んでます
虹色のスーパーでは卵が一パック9980円
玉虫カフェでは牛糞のコーヒーが美味しくて
高崎線では干物を焼く匂いしかしません
これはきっとわたしの正論という包丁で刺された傷が痛くないように
神様が夢を見せてくれているんだ
そう思うと少し眠くなれました
電話のやりとりを盗み聞けばわたしを埋める穴はもう3mも掘ってあるそうです
秩父はきっと滅びる前の上尾市みたいなところなんだろうな
だから少し寝てずっと寝に行きます
おやすみなさいミスターローレンス
「そういえば寂しかった気がするな」
と、強がりが空中で宙返りしてWi-FiをONにしました
世界中から集まった電波は誰も私と繋がることなく
電磁波だけを発して世界を狂人にしていきます
右のドアからdtcfvygぶhjにmこp、l@;
左のドアからfrgyvぶhんjp@;「kl;p@:
天井からはおぃjhkft7gy8じおpk@ぉp@
そして床から4rtgyhじゅkl。;・:ーpっぷjfgt
どこへ行っても逃げられない寂しさです
さぁ薬でも飲み落ち着くべきは私であるかと
けろけろけろっぴの薬入れを開けた所
飛び出た電波はなんと直角三角形ガチ勢でした
私は飼い猫と三人、ガチ勢と三人伴侶になります
そう叫んでいる私こそが世にも滑稽な無限クソ雑魚なのです
何度でも生き返ってやるから、嗤えばいいと思います
嗤えば、嗤えば、きっと私は幸せになれるんです
6錠の薬を飲んだ夜のふらつきは海月の踊りのように
あっちに行ったりこっちに行ったり私の恋心のようで
私は貴女を失ってしまってからどこへ行っていいのかわからずに
波のまにまに揺蕩うビニール袋なのです
私はいつか海亀に食べられてしまいます
そして海亀を殺してしまうのです
私は恋が出来ないが故に海亀を殺してしまうのです
海亀のスープを作るにはちょうどいい夜です
パンティストッキングの様な夜空は舌鼓を打つにはちょうどいい夜で
脳味噌に薬が効いてきた頃にはもう手遅れなんです
だからさようならを言うにはもう遅いんです
でもこれだけは言わせてください
井伏鱒二は裏切り者です
火の消えた煙草をひと吸いすれば
まだ出ていなかった煙が一口だけ
それからは吸っても吐いても何も出てこない吸い殻です
ポイっと捨てられる様は私のようで
世迷言を吐いては吸い込んで何も出てこない私はカラスです
鳴き方を忘れたのではない、最初から知らなかったのだ
そう呟くと私はドブ川に死にました
吊るされたカラスの屍骸がカァと阿呆に鳴けば
世界はくるっと宙返りしてこんにちわとおはよいございますの時間に着陸し
行かなくてもいいバイトに間に合わないとてんてこまいを踊るのでした