見えた物
逃げ水が見えた
この寒空の下にだ
地球が逃げたがっている
地球に変える場所などないのだ
月にすら変える場所があると言うのに、だ。
どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
逃げ水が見えた
この寒空の下にだ
地球が逃げたがっている
地球に変える場所などないのだ
月にすら変える場所があると言うのに、だ。
駅のホームで老人が私に一言言った
「奇遇だな」
私は初対面の老人になぜそんな事を言われるのかわからなかった
老人は続ける
「私もちょうど、飛びこもうと思ってたのだ」
そして老人は電車のプアーーンという音と共に線路へ飛び降りた
私は興ざめしてしまい家へ帰った
そしてサンマを一尾食べた
駅前の喫煙場でタバコを吸っていると鳩が群がってきた
どうせ餌でも乞うているのだろう
平和の象徴は乞食のようだ
私はウザったいので追い払おうと足を蹴りあげた
すると鳩はサーっと逃げて飛んで行ったが
私の足が一匹の鳩の腹を直撃した
警戒心が無い鳩だ
その鳩は飛び立とうとして地面にペタリと堕ちた
そして動かなくなった
私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない
マッチ箱の中に世界があった
そのマッチ箱の中にも世界があった
そのマッチ箱の中のマッチ箱の中にも世界があった
そしてこれは無限に続く
世界はマトリーショカ人形のようにできている
タバコにマッチで火をつけていてふとそんな事を考えた
しかし今時広告入りのマッチ箱を置いてあるこの喫茶店は潰れるだろう
もしくはマッチで放火されるだろう
もし、現実の私が嘘だとしたら本当の私はどこにいるのだろう
太陽があった
月があった
神様の背丈ほどの所に
神様を挟むように二つがあった
神様は眩しいので太陽を天空高くに置き
夜の世界に凛とした冷たさを残す月を置いた
しかし神様は稀に昼にも月を出す
これは神様が悲しい時に冷たさを感じたいからなのだろう
トイレで便をした
そして尻を拭き、便器の前に立ち尽くし
便を眺める
そして敬意を祓い敬礼をする
そして便を流す
私はトイレから立ち去る
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またトイレの電気を消すのを忘れていた