動く
犬が一匹動いていた
生きているのでも
死んでいるのでもなく
動いていた
今日は胸が痛いので
貴方の事を思い出したくない
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どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
犬が一匹動いていた
生きているのでも
死んでいるのでもなく
動いていた
今日は胸が痛いので
貴方の事を思い出したくない
何時もの如く生きていると
初老の紳士に話しかけられた
「貴方は死んでいるのと同然です」
それは稲妻のような衝撃だった
しかし翌々考えてみれば
私の心臓はムソルグスキーの音楽のように
単調に動くだけであったので
それは最早、回路でしかなく
回路は生きているかと言えば
所詮は機械でしかない
初老の老人の心臓はきっと回路ではなく
もっと神々しい物で出来ているのだろう
もしかしたら初老の紳士は神なのかも知れない
世界がもし僕に嘘をついているのだとしたら本当の世界は何処に在るのだろう。世界は僕が生まれてからまるで変わる様子もなく、目狂しく変わっていっている。僕は波に乗れないサーファーだ。波が何処から来るのかもわからず、砂浜を歩いては見切りをつけ、山の方まで引き返した所で波が来る。タイミングを見計れない丘サーファーだ。僕はなぜ此処に生まれたのだろう。僕は成長をしていないとも言えないが、しているとも言えない。いつまでもこの儘で居る訳にいかないのだが世界を舐めて味をしめ、やはりそのままで居るのが現状だ。そもそもこの世界が嘘だと言うのなら嘘の世界で嘘の成長をし、嘘になってしまうってはいけないと思うのだ。かといって本当の世界にいざ、ゆかんとしても本当の世界で白痴でいるのもどうかと思うのだ。なので僕は嘘を吸収し、本当にするまで生きていこうと思う所在でございます。
空の大きさの心を持ってしても
太陽の出るわけではない梅雨空に
いつまでも執着してしまうのだ
梅雨空の終着駅は夏の前日なのだ
心はいつまでも梅雨なのだ