斜陽
雨が降ったら嫌だなと思った
葉が一枚散った
もう葉が散ったら嫌だなと思った
もう一枚葉が散った
すでに雨の事など忘れていた
落ち葉をセブンイレブンの
アルバイトが片付けていた
秋だなと思った
しかしもう冬になる
どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
雨が降ったら嫌だなと思った
葉が一枚散った
もう葉が散ったら嫌だなと思った
もう一枚葉が散った
すでに雨の事など忘れていた
落ち葉をセブンイレブンの
アルバイトが片付けていた
秋だなと思った
しかしもう冬になる
朝起きて電気を点けると私が存在していた
不思議な事ではないのだがとても驚いた
私のような者が存在できるこの世界
その敷居の低さに驚いた
驚きすぎてTVを点けると私が写っていた
世界のレベルが低い事を痛感した
そういえば明日は死ぬ日だ
お線香を買いに行かなければ
私は貴方が脳の奥底に居ると信じている
飛び降りでもして脳髄をぶち撒ければ
私の屍骸の横に貴方は産まれるだろう
そしてすりこみ現象で私の屍骸を親だと思い
私の屍骸に愛情を注いでくれるだろう
あぁ死にたい
無垢な貴方を社会の荒波に放り出したい
それは只、単純な親心である
私の疑心暗鬼は金棒を振り回している
落ち着いてください
私はここにいます 生きています
疑心暗鬼は私が死んでいるかの様に
吹聴しています 吹聴しています
耳の奥にガムを詰めたように
何を喋ろうが頭の中で反復するだけです
耳の洞窟です 耳の洞窟です
うるさい!黙れ!
と感情を露わにした所で感情の反復
出口が見えません
ところで此処は何処ですか?
自宅の様で自宅ではなく
自室の様で自室ではない
何処か遠い 遠い所にいる気がします
疑心暗鬼に居場所を奪われたので
私は何処かわからないペンペン草の生えた
この野原にいるんだと思います
私自身それが信じられなくて
疑心暗鬼になり疑心暗鬼を疑っています
とりあえず此処を去り自室に戻りたいです
今日の朝食は靴だった
もう5年ほど履いていた靴だ
愛着があった
なので食べた
おかしい事など何一つ無い
胃の中から靴音が聞こえる
余った靴紐で首でも吊るとするか
「人間は人間でなくては為らない」
是は社会的通念から生じる誤解であり
人間は飛べない魚だろうが飛べない豚だろうが
何で在りにしろ存在価値を其処に見出す事ができる
かと言って人間が人間である努力を怠る事は
恥、背徳、無様・・・様々な言い方が在るだろうが
努力を怠ってはいけない
努力をした結果人間でなく為るのは致し方ない結果である
私は人間の風上にも置けない
しかし風下に置ける事はできる
数%はまだ人間だ
今朝、目覚めると頭にドアが出来ていた
蔦が周囲を取り囲んでいて、これは気づかなかったが
大分、昔から頭にあったのだろう
頭と言っても見える位置ではなく、どちらかと言えば脳
そう、脳にドアがあったのだ
なぜ気づいたのかと言うと今朝は其処から
木で出来た人間が忙しなく出入りしている
物を持ちだしたり、物を持ち込んだりと遽しい
是は何を意味するのか解らないが
リスパダールでドアに鍵をした
木人は閉じ込められたり、入れなかったりで
また遽しい動きをしている
脳が気持ち悪い
ミルクティーを飲もう
さすれば、何かの解決になるかも知れない