fc2ブログ

傘の花の開いた街

言葉の雨が脳髄を濡らす時、言葉の風が吹く

私はそんな時に此処に言葉を記す

時たま何処からともなく歪んだ声が聞こえる

声は言葉を運んできてくれるが声は語彙が乏しく

私自身を映す鏡であり、乱反射の陰気な愚か者である

だから私は猿轡をされたナルシストだと思う

スポンサーサイト



窓際に狐牡丹

プレタポルテのインパネスを羽織り

ソンボレロをかぶったゴンザレス

私だけのゴンザレス

クラシシズムを捨てた私の価値観から

新たな価値観をくれたゴンザレス

私は彼の為にプロスチチュートになり

体を尽くし馬の餞を

アナルローズを咲かせた食卓に葡萄酒を

燭台に灯った禁忌の蜜の味

花弁の隙間にアドレナリン

サン・ジョルディの日にはロマン=ロランを

蹲る貴方の耳元で囁いてあげたい

私はパンパン貴方はポン引き

私は貴方を倦ませたい

倦む私達にハラームの宝石を

ねじ巻き

時計は如何にして正確に狂うかを考えている

狂人は如何にして正確に狂うかを考えれない




時計が十二時を指した

私は黒い夜が白い朝へと

変わる事へ恐怖を感じる

逆もまた然りだ

世界の色が変わる時には

自分自身が変わってしまうのではと

自分自身のアイデンティティが狂うのではと

アイデンティティだけが私を繋ぐ鎖だ

断ち切れれば今以上にデカダンスに狂うだろう




自分の色は周囲が容易く変えていく

じわりじわりと変えていく

日進月歩変えていく

それは恐怖以外の何者でもない

今、此処に在る自分は明日は他人になるという事




誰にもなりたくない

あいつになりたくない

私になりたくない

風と共に鴨のテリーヌ

風が吹かないかと思った

私は大切な事は全て見落としてきた

ならば風が吹き微塵が飛べ迷い

私を目眩ましてくれればよい

さすれば何かしらの言い訳になるからだ

現状で私は何も見えていない

目の前には澄んだ空気が広がり

煌々と明かりが燈っているのにも関わらずだ

私はこんなに目が悪かっただろうか

伊達に伊達眼鏡ではないと言う事か

幸福のススメ

先日の嵐で私の脳味噌は渡り鳥の様に

どこか遠く、恐らくはアボリジニの

踊る辺りへ流れていってしまった

脳味噌の無い私もセンシティブな感性だけは

持ち合わせていたようで一人バラライカを抱え

嵐の過ぎ去った満月の浜辺で聾唖者の様に

ぐわりぐわりと歌いながら踊ったのだ

それは音符が跳ねると言うよりも

自らの首を刎ねている様な自慰自殺の様だ

程なくして騒ぎを聞きつけた地元の

頭のおかしい、私から見たら頭のおかしい老人が

国の言いつけを守る事しか出来ない犬を呼んだようで

ワンワンワンワンと吠えてきたので祭りは終わり

私は犬の檻へと御用となったのだ

さて、ここで愛すべきは私だろうか貴方だろうか

それとも第三者であるラッシャー板前であろうか

世界はバラライカのリズムで溢れている

百合、帰る

道路を歩けば石が転がっている

部屋へ帰れば机が座り椅子が座っている

そこへ私は立ち尽くし

箪笥は座りテレビも座っている

異端者は私だけで十分だ

異端者のアイディンティティも神であるというのに

夜は私の中で叫ぶ

目を閉じると私がいた

しかし今の私ではなく

童の頃の私だった

私は私に手招きをするので

私は私を追いかけた

暗闇の中を一心不乱に追いかけ

気づくと私は箪笥に頭をぶつけていた

クラクラしながらも

私は私の手を捕まえた

しかし私は私を懇親の力で

私を振り払った

眼の真円の中に立つ私は

私をからかう

夜は私が二人で

どちらも必死な私だ

複眼

無数の眼が私を見ていた

何処へ逃げようと私を見ていた

これは幻覚なのだろうか

無数の黒い蝶が生まれた

それは頭の中を蔽いつくし

無数の眼を隠してくれた

しかし私の眼も隠してくれたので

私は盲目になり

今も物乞いをして暮らしている

歪みの声だけが雑踏と共に響き

消え去りたいと願いながら

卑怯者の嘘吐きの生き方で

生き様と思った

同時に逝きようと思った

昨晩の出来事である

ハンバーグ弁当

「私の屍を食べてもいいですよ」

と、出会い頭に言われた事があるだろうか

私は言われたことがある

言われてみると案外、平然な対応を取れるものだ

視線を中に泳がせて「え、え、え、」と答えれる

無論その後、殺して食べた

これが平然とした毅然としたごく当たり前の対応だ

明るい夜

アヌスに黒薔薇を挿した23歳の日々

緑色の夜に踊るだけの日々

常に空中を眺めているだけ

まばたきもせずに一体何を眺めているのか

それは彼にだけ見えるユートピア

10歳以下の子供にしか逝けない

ネバーランドの様な国

童心を忘れぬようにと彼は毎晩アヌスに花を挿す

背徳などは捨てた

人生も捨てた

私と同類の貧らしい傷だらけの唇で何をブツブツ歌うのか

↑