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潰れかけた顔で

止め処なく溢れる心の汗と言う名の尿が

全身をアンモニア臭で包み込みアンニュイな気分だ

今日は久々の晴れ舞台なのだが片翼の発した一啼きが

甘い紅茶の臙脂を色を色褪せさせて震えが止まらないのだ

私が堕ちて行くとしたら翼を失くした時であると

過去に痛感しすぎて私はキチガイなのだ

私はゴミのように扱われるのには慣れているつもりだが

精神病院の鉄格子が見えのはあながち幻覚などではなく

アカシックレコードの様に未来を見据えているのかもしれない

何とも言えないモヤモヤが脳内に充満している

喩える言葉が見つからないがたとえ喩えが見つかっても

このモヤモヤは消え去る気配はなさそうなので

一人で娼婦の様に煙草を噴かして果てようと思う

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湾曲する鼻

自分の存在を恥ずべき物としか思えない

恥部の象徴のような私に誇りを持つとすれば

四六時中醸し出される栗の花の匂いだけだろう

全身黒尽くめの男は私の事を納豆野郎と揶揄したが

あながちそれは揶揄ではなく率直な感想でしかなく

私自身は納豆と同系列に扱われた事を救いと思い

これから始まる暮らしの中で異臭を漂わせながら

高円寺の駅前を全裸でうろつかなければならないのだ

視線を眺める男

眼球の中で膝を抱えて蹲っているのは私だ

目に見える眼球の中の世界しか知らない私だ

いくら視野を広げた所で眼球の中から出る事は出来ない

釈迦の掌より有限な無限の世界を一人悲観しているのは

センチメンタルな情景に酔いたいと思っているからだろうか

それともこの世界の果てに何かがあると薄々感づいているのだろうか

見えないものは盲目に信じる事しか出来ないのだ

三色旗掲揚

交差点で信号待ちをしていたところ

信号機が心臓発作を起こし亡くなった

最後に灯したのは赤のシグナルだ

道路は交差点を中心に大渋滞を起こし大混乱だ

タクシーの運転手は発狂し日本中の信号機を

これでもかとばかりに鉈で叩き潰して行脚した

勤続30年のタクシードライバーは

硬い枝ほど折れ易いのである

日本中の信号機が壊れたので

今日、ここから日本の時が止まるのだ

私は火事場泥棒の気分で興奮しているが

交差点を渡らないと自宅にも帰れないので

私はここで信号機とともに朽ち果てるのだろう

スクイッドスープ

当たり障りもなく果てることに意味があるのだろうか

傍若無人な陰部からの幽体離脱を何度となく

繰り返す悪夢の如く日付が変わる度にしてしまう

その都度、汗だくになりただでさえ醜い私は

黄色がかった白い声を出し醜態を晒してしまうのだ

部屋には猫がいるというのに私は猫になってしまう

今日の夕餉は猫のステーキと洒落てみる事にしよう

食べられ食べて食べ尽くす

卑しい典型的な日本人の私にはぴったりだ

主従関係

ここは本当に私の家で本当に私の部屋なのだろうか

見間違えるほどの胡散臭さを醸し出しているのは眠気だろうか

そんな目眩を万年床にバタンと殺しに入ったところで

誰かが私の後頭部をぐりぐりと踏み躙ってくるのだ

どこなのかもわからない自分の部屋で

誰とも知らない者に陵辱される午前4時に

私は水滴の如く弾け飛びピカピカとメール着信を知らせる

携帯電話の光を眺めながら今日の自分はどちらでもいいと

ただ無言の帰宅をしたいとだけ思っているのだ

私に仏陀は微笑むのか釈迦が微笑むのか閻魔が微笑むのか

それを知っているのは木星人だけなのだろう

壊れた物=壊された物

信号が赤の時に車の時間は止まっている

信号が青の時にも車の時間は止まっている

車は危険なので走ってはいけない法律を作るべきだ

大事な物ほど壊れやすい天地無用の長物だ

私が大事な物を失くすのはちゃんとしまってないからなのか?

否、それは危険が危険だと認識されずに世の中に存在しているからだ

なので皆さんまず私からぶっ壊してください

鉈でも斧でもバールでも使用用途を間違えていなければ何でもいいです

擬獣法

脱兎の如く猫が逃げている

それは果たして猫なのか兎なのか

少なくとも雀ではないだろう

なぜなら滝の様な涙で鳴いているのだ

私はそれを見ながら首を括ろうか

働こうかと迷っているのだが

私も社会から脱兎の如く逃げ出したいのだ

そしてどこかにあるであろう私を保護する

ビオトープで日がな一日光合成をしたいのだ

植物人間は種子を残さないで生きていける

それは素晴らしいことではないかと錯覚して

首を括りかけたところで精神安定剤を数十錠

ウオッカで流しこんだのだ

月明りが差していないのでいい夢を見れるだろう

揺り篭と蜃気楼

私は二度寝する事の素晴らしさを知っている

君の囁く声を聞きながら寝惚け眼でいる幸福を知っている

だが夢を見るということを知らないのだ

貴方の囁きが途絶えた時に見えるあの光景は夢なのだろうか

あれが夢なのだとしたら私は夢を見る事も寝る事も

知らないままの方が頭のネジが外れないで済むのだ

早朝の笛吹き

鏡の中からキィキィと軋む音がする

耳を塞ごうとすれば尚大きな音で軋むのだ

窓に目をやればカーテンの隙間から

目の異様に大きな褐色の子供が私を見て笑っている

目を背けようとすれば私の視界に無理に入ってくるのだ

布団を被れば猫がニャアニャアと鳴き始め

私を現実の世界に留めようと必死なので

私もニャアニャアと鳴いてみた所これが意外と楽しく

キィキィと軋む音に合わせリズミカルに

猫とニャアニャアと歌ったのだ

褐色の子供はこちらを見ていたが目が合うと

恥ずかしそうにカーテンの後ろに消えていった

私に残されたのは聴覚だけだ

明日にはそれすら残っているのか怪しい物だ

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