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脳内オリンピック

四万五千色のクレヨンを持ってしても

私の似顔絵はモノクロで描かれるのだろう

私の安っぽい笑顔はヤフーオークションに出しても

たった二十円程度の値しかつかないのは眼に見えている

無駄な足掻きは辞め明日からは常に複雑な表情でいる

私の思う理想は貴方の思う理想ではない事は百も承知だが

どこかで必ずリンクをしているのが漠然とした

捏ねる前の粘土の様な理想と言う物だと自分に言い聞かせ

下手な鉄砲は数を打っても空砲で当たらない悪夢が

今夜限りで終わる事を夢見ている

私の理想系はガードレールの様に容易に飛び越えられるのだ

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ワードパットを眺めながら

線路端の石を線路沿いに並べる作業を繰り返す日々だ

藁の中の針を探すような途方もない作業が繰り返されているのだ

「それでは違うのではないでしょうか?」

「それでは違うんですよ」

「それでは違うと思うんです」

何度も反復する言葉が翻り私目掛けて襲ってくるのだ

私には大衆の気持ちは理解できず自分の持っているものが

貴女方の様な下種な輩にも理解できる物だと思っていたのに

貴女方は私の斜め上を行く実に愉快な反応をしてくれる

欲しいのは私のしたり顔だ貴女の冷笑ではない

マーブル模様の飛び石連休は火災報知機の様に回るのだ

貴方方が諸悪の根源なのでせめて私より先に死んでください

私は貴方方が死んだ後に後ろから来た者の為に死にますから

我輩は他人である

「猫は炬燵が好きなんですね?」

貴方が問いかけて来ましたが私はいません

貴方は空中に浮かんでいる私の面影と対話してるのです

私なんてものは当の昔に私でないものになり

最早私と呼べる代物ではなく赤の他人です

私がアイディンティティを持っていた事は

きっと生まれてこの方ないでしょう

私が私であったその一瞬というのはきっと存在しないのです

貴方は存在しない私と対話しているのでしょう

参考までにうちの猫は炬燵が好きです

タパスタパス

月が半分だけ笑っている

東の空に大きな紫色の雲を見た

逆さまになった地平線の様に透き通っていた

私は夜のドアをノックしなければいけないのに

鳥目の私は夜のドアが赤いのか青いのか結局わからず

自棄を起こしてここで一人体育座りをしている

摩天楼は空高くにあり私には到底手が届かないのだが

いつか必ずやシークレットブーツを履いて

あの憎たらしい摩天楼より高くなるのだ

その為に私は今日もご飯を食べないといけない

このサイクルには飽き飽きとしてきたので

そろそろスパゲティを食べようかと思います

冬の装い

人の心を探ると自分が冷たくなっていく

この真冬に見た陽炎はラグタイムなのだろうか

先日、右の靴下に穴が開いたのだが

それすら嘘であったと思われていた事に憤慨している

嘘ではない、左の靴下だったのだ

無重力空間で上下左右の区別はつかないのに

貴方は小さなことに拘って本質を見ない

しかしこれすら憶測であり私が勘ぐっているだけだ

心寒い日にはジャンパーを着るといいのか?

人恋しい時にはジャンパーを着るといいのか?

私は常に裸で貴方方を迎え撃つ覚悟であります

埼京線を止める日

銀輪が素っ頓狂なリズムで歌いだした

これは勝利の凱旋歌であると確信したのだが

蓋を開けてみれば私は笑う者に笑われる者でしかなく

私の気持ちの悪い動きは気持ちが悪くないのだ

嘲笑、冷笑、失笑すべてが集まったのに私は

目先のボーダーラインを敬しく呆けて眺めていた

私は生きるが死ぬかもしれない

それは明日か今日かもわからないが

もしも私がいなくなっても青蛙の貯金箱を割らずに

私の骨壷にして納骨して欲しいのだ

その為に私は生きるのだ、けして怖いから等ではない

ジプシーダンス

意味もなく泣き叫びたくなった

それは血で真っ赤なズボンのニュースを見ながら

ネット回線を通じて楽しくお話していた時だ

本当に意味はない

この感情がどこから来るのかわからない

泣き叫ぶ理由をこじつけるとしたら

理由が見つからないから以外の何者でもないだろう

夜の色

夜は不思議だ

ただの空腹感が鉈を構えて襲ってきただけなのに

真夏の夜の夢にしみじみと叫びたくなるのだ

いつの日かに見たオリオン座は今でも

冬の皿に乗り大空満漢全席だというのに

あれから私の冷蔵庫には腐りかけた鮭の切り身があるだけで

私の腹の虫は苦虫を噛み潰しながら夏の蝉の様に鳴くのだ

その鳴声にシンパシーを感じてしまった貴方はきっと

私と同じ例年通りの一人寂しい冬が来る

たとえ貴方が平野綾だとしても貴方は貴方だ

世界中の誰よりも貴方は貴方色だ

黒子

夕日で翳った街を散歩していると

私が散歩してるのではなく

私の魂が散歩しているのだと確信した

あの娘の黒目が白くなったのが証拠だ

世界中の絵の具の黒は白になったのだ

私も捜査線上から外れたようで

安堵感に浸っているのだが

私はまだ留置所の中で私の魂は優雅にお散歩だ

これは奇妙奇天烈な事だが実際に

この世界上で黒いのは私の陰部だけだったのだ

タウンワーク

街の中に私の家があってそこに住んでいる事に恐怖感を覚えた

何ともわからない有象無象が形成しているのが街だ

私も有象無象なのだろうか

藁の中に落ちた針の様に街に紛れ貴方の命を狙っているのだろうか

それとも将来は喫茶店の髭のマスターになるのだろうか

今以上に街を見る喫茶店の髭のマスターになるのだろうか

恐怖と闘っていればマスターズリーグには出れるのだろうか

すべては杞憂だとわかっていても恐怖感は尿道から溢れ出るのだ

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