fc2ブログ

花散らしの雨

酒臭い息をパンパンに詰めた電車は

午前0時の帳を突き破っていった

刹那に私の携帯電話は鳴り響き

期待しないでよかったと嘘を吐いた

電車の中で私は顔のない顔をして

リュックサックの隙間に見える

眼鏡面のサラリーマンの顔を見て

あいつはこうなるのかと思うと

怒りにも似た滞りを煮詰めたのだ

思えば私の背中は裂けているし

そこから漏れる臭気は貴方を不快にさせ

私の精神は貴方にはじゃじゃ馬過ぎたと

自分自身を否定しながら雨の新宿を

2錠の精神安定剤目当てで走ったのだ

私はサラリーマンになれないのを知っている

貴方が真面目に生きれるのを知っている

空調の音に自分の意識がフラッと混ざった時

それでいいのだと酔っ払いが呟いたのだった

スポンサーサイト



ホープ・ホープ・ホープ

私の手は電車の中で震えていた

ただ嬉し泣きをする練習だけをしていた

帰ってくるのは赤紙だとわかっていながら

私は帰ってきてもただギターを弾いた

私はここで人生を終わらせる覚悟も出来た

だがしかし隣の部屋のテレヴィジョンは

大きな声でダラダラと喋っていて

私は寝るに寝れなかったので

眼鏡屋の店員を連れてきた所

それが幻聴だとわかり午前5時のビールを

小便に様に浴び川越線の中で吠えていたのだった

シャッターチャンスは逃げていく

私の右側には何かあったのだろうかと考えれば

金色の大学生が立っていた覚えがある

その前には橙色の中学生も立っていたし

最近では眼鏡の芋が立っていた覚えもある

私から逃げていったのはそれだけではない

私は数多くの者を失い失い生きてきたのだが

武器を取られた兵士は生きながらえることが出来るのか

私の力とはずるさでありずるさを失い真正面から

ブツカリ稽古をしていっても倒れる大木は無く

私は貴女の笑い声を聞く自信がまったくないのだ

こうなれば半身不随の私に半身不随の貴方を寄り添わせ

ひとつの人間になりたいとそう考えたのだが

私は如何せん、貴方を好きになる自信はこれもまた

まったくといっていいほど無いのだ

私に自信などあった例がない

だから私はナチスドイツに亡命するのだ

地下鉄副都心線

三万光年の向こうには何万光年が待っているのか

それだけを確かめてくて私は言葉を繰り返す

ただここに立っているだけでも言葉はやってくるのに

それから逃げるように山手線のホームを行ったり来たり

スピードを置き去りにした列車が私を見ている

檻の中のライオンを思い出しているのは私だけではない

リュウグウノツカイの瞳をいつの日か見たのだが

それに比べれば私の瞳は罅割れて濁っている

それだけなら救い様は三十個はあったはずなのだが

セントルイスに生きている私はここに生きている

それだけで世の中を汚くする害悪なのだと

黄色い線の外側の線路を見つめながら思ったのだが

私には飛び込む勇気もなく日々はマシュマロに溶けてくのだ

トンダ

私は眠れずに此処に立っているのではない

私は眠らずに此処に立っているのではない

どういうわけか意識だけはエウロパの回りを廻っていて

それがただいま戻りましたと報告するまでの30時間を

有意義且つエレガント且つ悪趣味に世界を蹴っ飛ばしている

貴方ははっきりするから私もきっぱりするんだと

出来もしないことを吼える私はなんなんだ?

犬だとしたら足が多すぎるし猫だとしたら目が少なすぎる

ムカデだとしたらお腹は空かないしヤスデだとすればそれもまた乙である

つまり私は時間を無駄にしている事に早く気付かないと熔けてしまう

その為にも私はエンデバーに乗り込み大爆発をしたい

黒人大統領は暗殺された方が世間は面白おかしくなるだろうと思う

ファミレスで吼えた事と神社で吼えた事を頭の中で天秤にかけ

これぞパラドックスと微笑むくらいしか私には脳味噌がないのだ

国営放送

私は渋谷で大熊猫を見るお客さんを見ました

そのお客さんたちは硝子戸の中でただただ微笑んでいました

それを見た私はあの大熊猫が私の前世と同じ時に

生まれてきた明治大学生だと信じられなかったのです

私がここまで成長したというのにあの大熊猫は

私より成長していたはずなのに私も手を伸ばせばいけそうな

そんな世界にふらふらと海月の様に漂っていたのです

私は30時間かけてこの世界に生まれて良かったと思うのと同時に

思っているだけで私はあそこに行けない事を知っていました

なのでいつの日か小林よしのりをレイプしたいと思います

葡萄弾カタパルト

夢遊病者の霊が浮遊霊となって全国を行脚しています

そうなってしまった今、私は煙を吐き出す事しかできず

自分の知っていた事を知らなかったかの様に嘯き

口実だけはどうにかしようと一丁前の詐欺師です

珈琲を飲む貴方は暗すぎるので私も暗くなります

珈琲の黒さと私の浅黒さも相成って新宿は今日も黒いです

5時間は立ったと思えば時間しか経っていないこの歯痒さ

私は川越線の車内で一人眠っていたのですがこれも狸寝入りです

今日こそはと思っていたのにペンを走らせずにマスばかり掻いています

これは今日の結果は散々なのだろうと思っているからでもあるのですが

貴女のその態度のせいでもあると思っていてくれても結構です

マンボウのジレンマ

私は三畳ほどの部屋で暮らしている

夜が明ければここには居なくなるわけだか

私の存在はもしかすれば此処でしか

存在できないものだとすれば此処から出た私は

煙の様にスーッと消えてしまうのだろうか?

蝋の様にトロッと溶けてしまううだろうか?

闇の様にジワッと馴染んでいくのだろうか?

どれをとって見ても此処から消えた私は

皆さんは覚えていることはできないと思うので

私が消えてしまう瞬間を携帯電話の動画で

撮影してくれと男に頼んだ所、男はキチガイで

私の愛くるしい携帯電話を食べてしまいました

この夢はいつまで続くのだろうと夕方から

ずっと私はキーボードを連打しているので

この私の指は今にも捥げてしまいそうです

指がなくなっても私は消えてしまうので

何一つ問題はないのですがただ一つだけ

「皆さんはいつ消えてこっちにくるのか?」と

そんな疑問だけが空中に投げ出されました

エジプトの夢

63枚もあるカードを使っているのは何故だ?

4枚しかないカードを使うべきなのではないか?

四足のロボットから逃げた私は青い行き止りだ

何故あの記憶がここまで続いているのか解らないが

クレオパトラはマイケル・ジャクソンだったのだ

私はドラゴンクエストの物語を思い出しながら

ピラミッドの聳え立つ夜の中野を歩いたのだった

皇女が見たあの盗賊は誰だったのだが教えて欲しい

あの厭らしい牧師は蛇だったのはわかるのだが

この全ては何を暗示しているのかと考えれば

心臓がズキズキしてくる流れ星なのだろう

六杯のカルピス

果物籠に浅学非才の私は居てはいけないのだ

私のエチレンガスで全ての果物が腐ってしまう

蕩け出すのが線路の上でなかったのを

神に今、大いに放屁しながら感謝している

なぜなら夜から朝までは半年前の蜃気楼が見えて

こうなると私もヒララヒララと飛んで行くしかないのだ

頭痛は頭をカチ割ったのだが生きているのが不思議だ

それこそアバンギャルドとしか言いようのない偕楽園だ

↑