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ガラムマサラ

ビデオテープを切り刻んでいるのは私だけだった

開いたドアの向こうにはアスファルトの塊がポツンと在り

人間らしい人間のいない客席を見ながら踊る事になるのかと

神様を蔑ろにしている二人のチェリーボーイに花束をと

薄っすら考えている私こそ孤独なのだと孤独の喘ぎに埋もれている

魔法使いのお姉さんが夢の中で私を呼んでいたのだが

貴方方を差し置いてそちらの世界に逃げたいと切に願っている

自分自身の暇潰しだと思っていたのだがこれは神様の暇潰しだ

物語がここから始まるのかここで終わるのかはきっと

般若心経を唱えながら心を鬼にして貴方方を殺せば解るはず

殺されたくなければ一人は死んでもう一人は殺されてください

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東京都庁にて

巻き髪をくねらせる踊りを悪戯に踊る貴方は

金色に反射する甘酸っぱい顔なのだ

私は一日に二度も珈琲が飲め天津さえ煙草まで吸える

そう思えば生きているだけで世界は重低音に満ちていると

月の満ち欠けを薄らと頭に浮かべる幸せ物なのだ

禍々しい程のノイズに溢れた歩幅の狭い世界は

何所までも続いていると狂った磁石に錯覚し

携帯電話の小さな窓を覗き込む私を呼びにくるのは

私とは反対側にいる人間達の下着姿なのだ

私は牛肉を食べるのが大好きだ

それと同じ様にこの世の中で息をするのが大好きで溜らないのだ

噛ませてあげる

貴方はいなくなってしまうのですねと蟇蛙が呟いた

肯いた貴方はCD-Rの様な虚ろな目で私から視線を外し

見ていたのは倫敦、巴里もしくは群馬の果てで

私が貴方の代わりになりますと人身御供を気取っても

薄っすらと排水溝に浮かぶ花弁の様に私は腐って逝く

今日も明日も明後日も自分以外の何かを求め

影を照らし合わせる行為を自慰の変わりに繰り返し

明日には9番目の私になれるのではないかと空を見つめ

私はカップヌードルの汁を乞食の様に啜るのでした

長いお別れ

もうすぐお別れなのだと猫の虱を潰していた夜に

私の眼は潰れ腐りいつの間にか乞食になっていた

ギタギタに切り刻まれていたフィルムは繋げれるのに

私のバラバラになったアイデンティティは河童の川流れで

何所に行っても禿散らかしている徳利セーターなのだ

いつになればこのホワイトボードは消せるのかと

油性ペンで書かれた孤独の二文字を塗りつぶしている

あぁ、そういえばもう秋なのだなと銀杏の木を見つめ

麻縄で太い首をマグロの一本釣り宛ら吊ったのだ

明日はきっと三塁打だと胸を躍らせているが

私には誰の悪口も言えない聞こえない

だから誰も私の悪口を言わないでぐっすりと寝ていて欲しい

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