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社会の縮図

楽しくて楽しくて怖くて怖くて堪らない夢を見た

貧困に満ち溢れた中国の町並みを歩いている夢を見た

在学中と悪戯書きされた看板の向こうに大きな精神病院があり

私の足は自然とその中へ歩んでいったのだった

棟と棟の間を歩いていれば向こうから無数の奇形人が歩いてくる

土面症、手梯子症、後面症、窓の中には原型の解らない手すらある

奥へ奥へと歩いていくが私は怖くなり踵を返してしまった

あの看板の向こうにあったのはいったい何だったのか解らずに

部屋で同僚に自慰を見てくれと強要してしまう私の弱さ

気付けばベッドを同僚が取り囲み私の自慰を見つめている

最高潮の快楽で初秋の花火の様な射精をして起き上がると

右前方にあった女郎蜘蛛の巣を頭で破ってしまったのだ

首筋にぺたりと張り付いた女郎蜘蛛の死体の軟らかさを感じ

私の中にもう私を捕える物は何一つとしてないのだと確信した

自由になった私はいつ奇形人になってしまうのかわからない

ただ、あの中に一人としてキチガイがいなかったのが唯一の救いだ

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アギャパー

私は狂人では無いと決め付ける夜明けだ

今日は背中から羽の生えた駱駝が生まれてくる

そして旭日旗を靡かせながら空へ空へと伸びていく

首の長い駱駝が二瘤か一瘤かも判らずに

BGMに流れる「ぷろぐれっしぶ・ろっく」を聞いている

虹は必ず右から出るというミスリード

涙は必ず瞳から出るというミスリード

私は最早、明き盲なのだと出ない涙を呑んでいる

テレヴィジョンの中では片端がホッケーをしているが

それは見世物小屋でしかなく貴方はそこから出れないのですよ

底の底すらいるのだなと鼻で貴方を嘲り笑ったのですが

笑い声は収まらず大爆笑の折に「あはは」の文字を分解してしまう

たった九画の文字群には私は含まれないと解った時

「私が狂っているのではない

 世界が狂わな過ぎるのだ」

とサイレン音が聞こえたので一錠の精神安定剤を流し込むのだった

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