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こっそりと笑う

雨の一粒一粒に私が乱反射する朝

コンビニ帰りのビニール袋の中には赤子の首が二つ

ずり下がってくるジーンズは昨日までの私だ

こんなに物悲しい気持ちの生き物になるのは

生まれて初めての醜態だとスペイン風邪の願望が止まらない

欲求はどこまで行っても平行線のまま、私とは交わらずに

カレンダーにつけた丸の様に浮かんだままの存在で

きっと僕にとって脳味噌は育たないのだと

炭酸の抜けたコーラで膣を洗う女子高生を見ている

大きな眼鏡を掛ければ物はよく見えるが

端から見れば御のぼりさんにしか見えないのだ

お別れに貴方の好きな小銭を上げよう

1円玉?10円玉?5円玉?50円玉?100円玉?500円玉?

私の財布の中には使わずのコンドームしかないというのにだ

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私の横で猿の動きをする人間がいた

私は人間の脳しか持っていない

人間は生きているうちは人間でしかない

私は人間以外の脳味噌を持って生まれてきたかった

煙草の煙が雨の音に掻き消され

午前5時の腹痛は水溜りと一緒に揺れている

私は人間でしかないが脳味噌はきっと焼きそばなのだ

きっとこれから先も猿でも人間でもない挟間を

からしマヨネーズを探して彷徨うのだろう

何もない

ここに何かがあるとすれば一握の無だ

私たちはそれを捏ね繰り回す粘土遊びをしているのだ

何も産まれず、何も作れず、時間だけの過ぎていく遊び

救い様がどこかあるとすれば無はとても綺麗な色をしているのだ

はるのおもいで

あさ、めがさめるとぼくはしんでいました

あさといってもきせつはかわっていて

ぼくがねたころにはさくらのはながきれいだったのに

もうぜんぶはっぱになってしまってました

ぼくはくさいにおいでめがさめました

「なんのにおいだろう?」

とおもったらぼくのにおいでなきそうになりました

でもなみだはでませんでした

しばらくするとおかあさんがきました

おかあさんはやせてしまってがいこつみたいでした

おかあさんはなきながら

「ごめんね、ごめんね」

といっていました

ぼくもかなしくなりました

でもなみだはでませんでした

おかあさんは

「すぐにおまえのところにいくからね」

といいました

ぼくは

「またせっかんされるのかな?いやだなあ」

とおもいました

おかあさんはずっとないていて

とりのなきごえとおかあさんのなきごえだけが

はやしのなかにひびいていました

ぼくはうるさくてねむれませんでした

ビューチフルドリーマー

セックスと嘘が相成る夜に魘される夢は

自分の眼球を捜して四方八方を血眼で見ている

子供達が父親の肛門を美味しく料理する

右腕は今頃チカチーロの胃袋の中

左腕は今頃ダーマーの胃袋の中

校長先生の鼻は捥げてからもう3日も経っている

後ろで老女が世界で自らの一番小さい脳味噌を

取り外しては眺め取り外しては放り投げる

ここが現実ならば私は今頃発狂している

救い様のあるのは今が夢なのと

暑い日には夕立が降ると言うだけのことなのだ

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