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肉塊奇譚

どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。

五体満足不満足 

なぜ私は心をぶら下げているんだろう

なぜ私は知恵を持ってしまったのだろう

誰も見れず、何も知れずに白痴に生まれたかった

人間ではなく空に生まれたかった

それか一粒の砂に生まれたかった

右耳も、左腕も、中指も、眼球もいらない

五体満足を是ほど煩わしく思うのは

空から落ちてくる雨の一粒が妬ましいからなのだ

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2010/10/26 Tue. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

鱶鰭 

頭の中から大切な事がスポスポ抜けて行っている

地下道の風は地下ケーブルを通り私を蝕んでいく

穴凹だらけの顔面と下の世話ばかりする減らず口

きっとあの時の未来は地下室に置いていったのだ

しかし風に乗ってやって来たのはまた地下道

風が脳味噌を乾かし砂にして運んでいく

砂を溶かして静脈注射しても壊れていくだけ

しかし今は脳味噌が止まる瞬間ですら愛おしいのだ

2010/10/23 Sat. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

捻れども捻れども 

自分を欺くのには笑顔があればいい

他人も自分も誤魔化しながら生きれる覚醒剤だ

私はあれだけニコニコ笑っていたし

貴方もあれだけニコニコ笑っていたのに

ほんの数時間で私の顔は濡れて力が出なくなる

池袋からの道は頭蓋を雨粒が穿ち

さぁ寝ようと思ったベッドには天蓋が無い

虫食いの穴だらけの体から向こう側は見えない

ただ私には夢の無い夢を見れる至福の時間だ

ロヒプノールでもサイレースでもなんでもいい

私に希望の無い希望だけを光らせて騙してくれ

2010/10/20 Wed. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

ムーブ 

壁に張り付いた文字が動いている

動き回る紙くずは頭の中を埋め尽くす

這い蹲っていた私の頭上を英霊が通る

あぁ、今日も笑いの金メダルだと

一円玉もない旅ガラスの生活から飛び立つのだ

私は動く

絵も動く

頭はもっと動く

ここから旅立つ恐怖を誤魔化す様に

私は煙草の為にマッチを擦るのが精一杯なのだ

2010/10/10 Sun. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

誤読の朝 

朝かと思えば昼だった

昼かと思えば夜だった

夜かと思えば朝だった

朝かと思えば私だった

私かと思えば神だった

そこに勘違いはなかった

ただ肌寒いだけだったのだ

2010/10/02 Sat. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

シーシェパードは来ない 

閂の外せないくらいの不器用さで開かずの扉を蹴っている

ここから出るにはどうすればいいのかと焦っている内に

背中にへばりついたマッコウクジラの死骸が腐っていく

腐臭に塗れた4畳半は神田川のメロディーに乗せて朽ちていく

狂乱に怯え涙と涎でぐちゃぐちゃの顔を鏡で見ながら

あぁ、そういえば今日は秋だと呟く

それだけの事で咲き誇る彼岸花を疎ましく思うのだ

2010/10/01 Fri. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit