五体満足不満足
なぜ私は心をぶら下げているんだろう
なぜ私は知恵を持ってしまったのだろう
誰も見れず、何も知れずに白痴に生まれたかった
人間ではなく空に生まれたかった
それか一粒の砂に生まれたかった
右耳も、左腕も、中指も、眼球もいらない
五体満足を是ほど煩わしく思うのは
空から落ちてくる雨の一粒が妬ましいからなのだ
どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
なぜ私は心をぶら下げているんだろう
なぜ私は知恵を持ってしまったのだろう
誰も見れず、何も知れずに白痴に生まれたかった
人間ではなく空に生まれたかった
それか一粒の砂に生まれたかった
右耳も、左腕も、中指も、眼球もいらない
五体満足を是ほど煩わしく思うのは
空から落ちてくる雨の一粒が妬ましいからなのだ
頭の中から大切な事がスポスポ抜けて行っている
地下道の風は地下ケーブルを通り私を蝕んでいく
穴凹だらけの顔面と下の世話ばかりする減らず口
きっとあの時の未来は地下室に置いていったのだ
しかし風に乗ってやって来たのはまた地下道
風が脳味噌を乾かし砂にして運んでいく
砂を溶かして静脈注射しても壊れていくだけ
しかし今は脳味噌が止まる瞬間ですら愛おしいのだ
自分を欺くのには笑顔があればいい
他人も自分も誤魔化しながら生きれる覚醒剤だ
私はあれだけニコニコ笑っていたし
貴方もあれだけニコニコ笑っていたのに
ほんの数時間で私の顔は濡れて力が出なくなる
池袋からの道は頭蓋を雨粒が穿ち
さぁ寝ようと思ったベッドには天蓋が無い
虫食いの穴だらけの体から向こう側は見えない
ただ私には夢の無い夢を見れる至福の時間だ
ロヒプノールでもサイレースでもなんでもいい
私に希望の無い希望だけを光らせて騙してくれ
壁に張り付いた文字が動いている
動き回る紙くずは頭の中を埋め尽くす
這い蹲っていた私の頭上を英霊が通る
あぁ、今日も笑いの金メダルだと
一円玉もない旅ガラスの生活から飛び立つのだ
私は動く
絵も動く
頭はもっと動く
ここから旅立つ恐怖を誤魔化す様に
私は煙草の為にマッチを擦るのが精一杯なのだ
朝かと思えば昼だった
昼かと思えば夜だった
夜かと思えば朝だった
朝かと思えば私だった
私かと思えば神だった
そこに勘違いはなかった
ただ肌寒いだけだったのだ
閂の外せないくらいの不器用さで開かずの扉を蹴っている
ここから出るにはどうすればいいのかと焦っている内に
背中にへばりついたマッコウクジラの死骸が腐っていく
腐臭に塗れた4畳半は神田川のメロディーに乗せて朽ちていく
狂乱に怯え涙と涎でぐちゃぐちゃの顔を鏡で見ながら
あぁ、そういえば今日は秋だと呟く
それだけの事で咲き誇る彼岸花を疎ましく思うのだ