思い思いの重い思い
窓の外の月を追いかけて彷徨う夜
月は空にあるのになんであんなに近く感じるのだろう
月は手を振ると影を見せながら笑ってくれる
見えない裏側は私には想像もできない
だから膝を抱えて月に兎が来る様に祈る事にした
私に兎はいらない
貴女にだけ兎がいればいい
気づけば朝日が西武新宿線を照らしている
私の気持ちを粉々に轢殺してくれた電車に空き缶を放り投げた
どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
窓の外の月を追いかけて彷徨う夜
月は空にあるのになんであんなに近く感じるのだろう
月は手を振ると影を見せながら笑ってくれる
見えない裏側は私には想像もできない
だから膝を抱えて月に兎が来る様に祈る事にした
私に兎はいらない
貴女にだけ兎がいればいい
気づけば朝日が西武新宿線を照らしている
私の気持ちを粉々に轢殺してくれた電車に空き缶を放り投げた
暗闇の中で背中が大きくなっていくのはなぜだろう
暗闇の中で線路に押し付けられて動けないのはなぜだろう
暗闇の中で泣きながら貴女に謝っている夢を見た
私は月になれてもフォボスに慣れない事を知っている
周り回っても交われない事を知っている
私はどこまで行っても小学校の周りを回っているだけ
ただ地球にも火星にも住みたい強欲の利己主義者なのだ
人の心に隕石を落としているのは私だろうか?
暗くなった部屋で背中が大きくなっていく
斜めの視線は背中に突き刺さる
私は股間にナイフを突き刺し返す
夜の押し問答がピークに達した夜明け前
私は天使に眠らされたのだ
たとえ見た夢が悪夢であってもそれは天使の夢なのだ
自分に言い聞かせる目覚めは自分以外が真っ暗なのだ
嫌われようと生きてきた
嫌われようと隠語を発し
嫌われようと嘘をつき
嫌われようと肢体を触り
嫌われようと狂って生きて
嫌われようと淫らに生きた
私は今、好かれたくて堪らないのだ
貴女をレイプする夢を見た
綺麗なガラスを壊してしまう恐怖で目が覚めても
下半身は仮出所目前の模範囚なのだ
溺れても溺れても消えない泡が目の前を飛び交い
弱冷房車の寒さに体を震わせる私はなんと滑稽なんだろう
アルコールが呼んでいた
サイレースが呼んでいた
電車の警笛が呼んでいた
あの頃の私が呼んでいた
呼び声はいくらでも聞こえるのにその中に貴女の声はなかった
貴女の声が二度と聞こえないように今日はミミガーを食べよう
新宿で息をするのがこんなに辛く感じる朝
慰めに降った雨が心身を冷やしきる朝
独りになればいい独りになればいい
私の眼鏡は今の幸せを見るには度が低すぎる
走り去る幸せの黄色い電車に飛び込めば
泣いている貴方の姿が見えてしまう
蹲ったコンクリートと同化し石になった私は
食べられもしない500円玉を握り締めるのだった
あぁ、今日もきっと電波が足りないのだろう
私には眼球は必要ない
物事を正しく見れていないのだ
私にだけカラフルに見える時も
私にだけモノクロに見える時も
私にだけ何一つ見えない時も
心を見れる眼鏡があればと眼科医に駆け込めば
「貴方は弱視ですよ」とにこやかに言われ
気付けば点字ブロックは崖の下へ繋がっている
「私は障害者なのだ、差別してくれ」
薄ら明かりの部屋に月がそっと覗いていた
「僕はキチガイだから」
そっと呟いても電車は言葉を置き去り
悲しくなる埼玉県へと進んでいく
心の中で無常と何度も呟いては飲み込み
満員の人をベッドにうたたと眠る時間
あの娘の夢を見た
月が落ちて僕は死ねばいいのに
汚れてしまった脳味噌には星すら見えない
貴女を体液で汚すくらいならば僕は猿になります
霞む視界
嘶く踏切
冷たい小石
私の居場所はここだと
そっと眼を閉じた
足音が聞こえ足音に潰され
静かな生活が始まったのだ