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吸えずの小躍り

私が映したかったのは貴女と私その物です

一つのカメラで一つになった日に

私は自分の為に生きるのを辞めようと思い

自分の名前すら捨てる覚悟で生きるのです

あのコンビニでコインを3枚、クッキーを5枚

貴女のありがとうに私は救われました

感謝を言うべきは私だけなのです

総ての貴女にありがとうが止まりません

止まらないありがとうは風になり

冷たい血液を生暖かくするのでした

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はなきゅーぴっど

家族へ贈る花も見当たらず玄関前の白粉花を眺める

子供の頃は白粉花ですら幸せだったとにやつくも

よく見るとこんな黒い白粉花を私は見た事が無い

お里の知れた埼京線は下卑た話を塞ぐ耳栓が必要だ

耳栓から流れる奥花子に私は涙も止まらずに

電車の中でも私は気違いだったのだなぁと

高田馬場まで追ってくる奥華子から逃げられずにいる

貴方の前で泣けて勇気が出た

貴女の前で泣いてしまい情けなかった

これから高田馬場に綺麗な白粉花の種を撒ければいいと

午前4時に咲いている貴女への梅の花を千切りながら

ホトトギス、ホトトギスと笑えたのだ

私には家族がいて本当に良かったと思う

焼畑農業

私は脳天からピンクの胡蝶蘭が満開の植物人間だ

貴女の全身から胡蝶蘭の種が蒔かれ

貴女の口からはそれを育てる水が出る

私はスケッチブックが欲しい

貴女の絵を描くスケッチブックと

私自身を描くスケッチブックだ

貴女のスケッチブックには多彩な色を塗り喜ばせたい

私自身のスケッチブックは黒く塗りつぶして燃やしてしまいたいのだ

僕は御器齧です

真っ暗な私に黒い髪と白い歯が光る

私は幸せだ

腹痛に苛まれる明け方に

腹痛で死ぬくらいなら貴女に噛み殺されたいと

人差し指を舐めながら朝が来そうなのだ

たとえ童貞とキスをしようとも

誰から蔑まれようとも

貴女に噛み千切られそうになった時

私は既に死んでいるのだ

浮き足立つ台所に渋谷の街が映るが

私は意気地がないのだなと腹痛に蹲り

貴女のカルシウムになりたいと切に願うのだった

おしるこマンホール

水曜日の隠語はステップを早くする

貴女が無事で笑顔なだけで馬力は無限に広がっていく

深夜2時を示した時計ですら私には夜中の太陽に見える

幻覚が幻覚を呼び、私は世界一の幸せ者だと

揺らめく街灯、揺さぶる脳味噌、上下の右手と止まらずに

屈折とした深夜帯は待っていればやってくるのだと確信した

既に隠語はいじくり尽くした

私はこのまま眠りにつく

目覚めればどこまでもどこまでも奈落へ落ちる気がする

私は貴女の中に残れてさえいれば、いつ蒸発してもいい汚水なのだ

日曜日よりの使者

私に出来た遅ればせながらの妹は前から知っている妹だ

以前から妹だったし今日から妹でも不思議でもない

ただ爆弾は既に火がついていたのに更に油が注がれる

私は耐えられないと憂いの埼京線に乗り

現実逃避の下井草にて言葉を探しに来たのだ

いくら探しても一番いい言葉はどこにでも出てこなかった

深夜の時計に騙された私達は電線を伝う流行り病だ

ただ、いくらの喘息でも笑いながらの咳は幸せの咳

このまま笑いながら呼吸が止まれば皆、幸せだろう

呼吸の止まる瞬間、私はなぜか貴女の笑顔がまた見えたのだ

憂いが嬉いに変わる瞬間はじわじわと心を抉る

「君は将来、何になりたいんだい?」

「死体」

「そんな夢のない事言っちゃいけないよ」

「夢のない?こんな夢に溢れた物はないだろう?

 誰にでもなれて、夢を見続けられるんだ」

砂の吸引

私は砂に成ろうと座っていた

私は朽ちて果てて砂になった

気づけば風は砂になった私を

Let it beを口ずさみながら運び

気づけば私は人間の成りをしている

人間は何処まで行っても砂に成れない

私は壊れかけても運ばれた先で

人が直してくれるお陰で人間なのだと

日々感謝が止まらずに喘息を起こすのだ

腐り逝く部屋

脳味噌を掘り起こせば思わしくない物ばかり出てくる

あの頃の思い出、あの頃の思い出、あの頃の思い出

ここに新たに種を撒いて美しい花が咲くのだろうか?

きっと腐り果てていくだけの芽が出るのだろう

私は蹲ったままの蛹なのだと思っていた

だが実際には羽すら無い蛾だったのだ

食べる事もままならず、飛ぶ事もままならず

そっと女郎蜘蛛に狩られるのを今か今かと待ち侘びている

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