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能天気図

世界が終わるのが正解なのか

私が終わるのが正解なのか

貴女が終わるのが正解なのか

未来にはただ事象だけが作られ

正解など何処にも残らない

敷き詰められた残滓の中を歩く長靴は

木の実をいっぱい詰めれるだけ

私はただ閉切られたサナトリウムで

ニヤニヤと笑いながら

ブツブツと呟きながら

時折、目線を泳がせる

貴女を見つめれば無数の赤子の手が迫っている

私は逃げるように目線を逸らし空を見上げた

煙突から生まれたての犬が首を出し笑っていた

明日もきっと太陽が出ていなければ雲が出ているのだ

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茄子と挽肉の味噌炒め

密室での朝食は琴線の張られた家族ごっこでした

私から見れば貴女は私の良妻です

貴女から見れば私はツノグロモンシデムシです

この擬似化されて矛盾に溢れた現実から目を背け

ミスリードの先には幸せの刷り込み現状が始まってしまい

私のヒヨコは親鳥をお茶碗だと思ってしまっています

「茶碗さえあればご飯は食べていけるのだ

 私にはお箸を扱う腕さえないのだ

 だが、私にはまだ飛べない羽がある

 貴女を乗せて飛ぶ事だって苦ではないのだ」

そう思う視線の先には真っ黒なストッキングが輝き

あぁ、私にはごっこ以上の家族は無理なのだなと

白い飯に箸を突き立ててニヤニヤと微笑むのでした

手術台に跨って

狂ったようにキーボードをタイプする夜

必要なKeyはその中には無いのです

狂人の狂ったの頭脳は前頭葉を探し

あぁ、私こそロボトミーが必要なのだと

電気の走る瞬間に酔いしれています

世界は白んで夜明け前なのに

頭の中では貴女がポップコーンの雨を降らし

白いフワフワな雲と真っ赤で無邪気な貴女が

言葉の見えない闇の中を埋め尽くしてしまいます

暗中の脳内に電気ドリルのモーター音だけが

響き渡り、染み渡り、踊り続けて、脳味噌が腐り

だから私は心を消してフハッと笑うのでした

崖で踊る

何度となく死のうと思ったことはあった

心が揺れて何時も落ちそうな崖の際にいた

落ちかけても落ちかけても私は生きていた

悔しいくらいに元気で憎らしく健康体の

木偶の坊が崖の際から離れようとしなかった

皆は何故に私の手を取り引っ張るのか

皆は何故に私なんかに生きて欲しいと思うのか

生きていきたいと呟かせたのは誰なんだ?

蚊の鳴くような声で歌わせたのは誰なんだ?

私の見ている汚くて汚くて美しい世界

何度となく壊れてしまえと思った世界

ついに私の中に黴が生えてきた

私も誰かのペニシリンになりたいと

叶わぬ夢見る場所は崖から程遠くなっていた

行き先は埼玉県

数日前の夢を引きずる私は劣等人種だ

総てを辞めて山手線の中で果ててしまいたい

貴女と夢の中で時間を過ごすのも

貴女と現実の中で時間を過ごすのも

総ての時間が高田馬場駅に向かってしまうのだ

品川という用意されたハッピーエンドがあるのに

私はどんなバッドエンドが待っていようとも

終末に希望を抱いてるのは三寒四温で狂ったからか?

終わりは終わりにしかすぎないと

結果よりも仮定が大事なのだと

強がりはいくらでも脳味噌を駆け巡り溶かしていく

いくら脳味噌が溶けても阿呆にはなりきれずに

中途半端な脳味噌をぶら下げて夜を彷徨くのが私だ

境界線に立つ勇気はない

吊り橋を渡る勇気もない

カードを切る勇気もない

そんな私が貴女を汚す夢を見る勇気を持っていては

何時迄も何時迄もこの駅に居続けてしまう

誰か私に五百円分の切符、もしくは夢の続きをくれないか

線路も夢もどこかで終わってくれると信じている

乗っているのは山手線ではないと言い聞かせながら

ヒミズ

淋しい埼玉への電車は何人乗っていようとも

独りなのだと窓の外を見れば真っ赤な朝焼けだ

ビルに照り返す朝日の様に私を照らす物はあるのか?

電車の音はイヤフォンから流れる青春を履き違えた

インストゥルメンタルロックとセッションをしているのだ

私一人でも人生は楽しめるのだと勘違いもする

私はキチガイだから誰も好きになってはいけないはずだ

なのに私は貴女が大好きで堪らない、貴方方も好きで堪らない

輝きを見る事の出来ない蚯蚓の様に電車に引き伸ばされよう

私の下卑た心は小便をかけられて初めて輝くのだ

それが正解なのだとまだ来ない春に、まだ来ない朝に

まだ来ないのかと辛うじて見える眼を瞑り歩く道は

ただただ寒く私の問いかけにはNoと言いたいのだな、と

キチガイながらに察してしまったのだ

狂人総玉砕

緑色に光るトカゲの眼が私の真っ赤な左目を弄る

私もトカゲの眼差しになろうと必死なのだが

精々、下卑た狂人の目しか出来ずに

眠れぬ午前五時を狂人の思考で過ごしている

如何せん脳味噌から血液の流れる音が漏れ

あぁ、これは貴女の成分が足りてないのだと

ペンを取り貴女を描いて描いて描いたのが午前四時

午前四時のまどろみの時間は恐ろしく

一物を握り締め猿の遊びをしていても貴女が浮かぶのだ

私は貴女を汚してしまった事に恐々としているのに

貴女は私の脳味噌の中で静かに笑い続けるのだ

血液の流れる音、貴女の笑声、トカゲの鳴声が聞こえ

あぁ、これで朝が来るのかと安堵に浸るものの

眠れない私に朝はこないままきっと夜のままで

スーッとタバコの汚煙の様に掻き消されていくのだ

貴女の中でも貴方の中でも私の中でも

身支度を整えた私はいつでも戦地に向かう準備は出来ている

ただ、ありがとうをいう勇気が無いだけなのだ

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