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絡みつく鉄線

吐瀉物が水流に飲まれ渦を巻いて流されていく

その中にはまた貴女はいないと安堵と危惧の渦を作る

吐き出せど吐き出せど心は吐き出せない

捨ててしまいたい想いを持ち続けるのは

貴女を脳味噌に縫い付けているからだ

私は下衆で女々しい黄金蜘蛛だ

糸に絡まりモラトリアムを気取っている

吐き出す事しか能のない害虫なのだ

私は鋏を持っていない

誰かが鋏をくれる事を願っている

絡まる貴女を救える事を願っている

心を斬り裂きたい

私を斬り裂きたい

心の琴線を奏でるピアノ線は止む事はない

心の中にヴァイオリンが響く日が来るのを信じれないまま

今日も一人ショパンのリズムで啜り泣くのだった

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南海への地震

私の心が揺れているのに貴女の影は揺れる事はない

薄っすらと脳裏に浮かんだ笑顔がくっきりと見えた時

脳味噌の中にセロトニンが溢れ出して津波を起こす

世界が終わるのが近いなと無表情で呟くのに

心の中では泣きじゃくりながら貴女を想っている

世界が終わっても私が終わっても貴女の笑顔よ、終わる事なかれ

と、オペラを気取っている私は今日も一枚の食パンを

一人侘しく甘ったるいレモンティーで流し込む

ただ、全身全霊の震えは収まる事もなく

今日もマグニチュード6の揺れに酔っている

遠い南の海で貴女は私の地震に気づいてくれるのだろうか?

アンドロパ恋

ぐちゃぐちゃと生々しい音がキッチンに響き渡ります

私のぐちゃぐちゃの精神は料理されるのを待っています

煮るなり、焼くなり、干すなり、白髪葱を添えるなり

どんな料理にされるのかと貴女に食される妄想は止まず

「あぁ、気持ち悪き私の気持ち悪き想いよ、消えろ」

とブツブツと呟いているのは木霊でしょうか?

私の熱視線を踊り子のように軽やかに避け続けながら

黙々と生肉を引き千切る貴女の背中を見つめ

優しい貴方の笑顔をいやらしく歪ませたくなるのでした

梅の花が満開です

春になったからでしょうか、私は莫迦に成り果てました

戻る場所が見つからずに居る場所も解らずにただただ眠ります

私は今まで9674人の人と話をしました

でも夢に見るのは1人だけでした

でもその1人もシャベルの音と土の崩れる音に掻き消されて

私には誰の声も聞こえなくなりました

だから私は電磁波も放射能も届かない所で眠り続けます

そういえば朝から一片のドーナツしか食べていません

食事の代わりにコールタールを飲んでいます

逃げ道は幾らでもあるのに逃げれずに足踏み

帰り道は一つしかないのに帰れずに眠り続け

このまま全身が黴に覆われてしまったら

私は9673人のいたあらゆる場所に胞子を撒き散らします

湿気の多い季節はもうすぐそこで準備運動をしています

だから私は怖くて怖くて莫迦になってしまったんだと思います

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