fc2ブログ

午後二十一時

真っ暗な私の枕元に

オベリスクがひとつそそり立つ

私は眠い眼をギョロつかせながら

「この世界から逃げ出せますように」と

ポツリと、ニヤリと、フフフと呟いた

するとオベリスクから金色の赤ん坊が這い出し

私を連れて行こうと腕を掴み泣きだした

面倒事は避けたいので寝た振りをしている

起きたら私はどこにいるのだろうか?

楽しみで楽しみで震えの止まらない深夜気分なのだ

スポンサーサイト



逃げ場

金糸雀が鳴いている様な空を睨みつけて

舞い戻りの埼玉を舞い踊っています

脳味噌に夾竹桃が狂い咲きかけたので

言葉と一緒にサラダにしてポン酢でいただきました

全身に毒が回り暑さも相成り四肢が壊れかけ

ただ緑色のシートに生えているのです

背中に当たる日の光は僕に陰を作ります

私は私の陰の中で涼みたいのに

私は私の陰にすら入れない木偶の坊

木偶の坊を沢山生やした電車は夏を滑り

また熱々の夏の中を全速力で走るのでした

さらだ

きょうはことばをえらんでねこをたたきわりました

えらばれることばは「どんき」だったり「ばっと」だったり

こわいことばばかりでしたがぼくにはわかりませんでした

ねこががめんにひょうじされるとことばがあばれだします

ねこがおびえたかおをしてみているのでぼくもこわくなりました

するとことばがひとつ、またひとつとねこをたたきはじめます

ねこのちはあかくてくろくてとてもきれいないろをしてました

いつのまにかがめんにことばがあふれあかとくろとことばだけの

とてもきれいなせかいができていたのでぼくはみとれていました

ぼくはばんごはんもつくるのをわすれてずっとがめんをみてました

でも、そのがめんはねこでもちでもことばでもなかった

それはきっとぼくのばんごはんだったんだなとおもいます

いつのまにかぼくはおなかいっぱいになったので

あのこもおなじようにばんごはんにしました

きれいなあのこもきれいなばんごはんになってしまって

ぼくはとてもかなしくなってしまいました

おなかがいっぱいになったのでばんごはんはのこしました

あしたになったらくさってくさくなっているとおもいます

だからぼくもおなじようにくさってくさくなりたいとおもいます

ときどきぼくをおもいだしてばんごはんにしてください

↑