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二胡の音色

ピエロもかつお節も踊る夜

私は躍る貴女を見て心躍らせの鎮座だ

夢の中の貴女もどんどんと朧気になっていく

いつセピア色になるのだろう

いつ砂塵に成り果てるのだろう

いつ壊れた玩具になるのだろう

いつ私の心が壊れるのだろう

どれが一番早いかは知っている

まだ形を成した夢の続きを見るために

まだ壊れない私と貴女の続きを見るために

私は今日もレンドルミンで脳味噌を塞ぐのでした

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夢晴映画

夢を見ました

何一つの音が無くなってしまった水平線を

一本の電車が海水を掻き分けながら走っているのです

周りには何一つない綺麗な綺麗な夏の日の昼下がり

まだ日も落ちきらない中途半端な時間に溜息が流れていました

私は気づくとその電車の中に一人座っていました

ガタンゴトンという響きに連られて吊革が揺れています

誰もいない電車の中、キキィと電車が止まります

ドアが開き貴女が乗ってきました

私は驚いた顔で見ていたのですが貴女は気づかず

少し離れた席に座り窓の外を見つめていました

電車が走り出します

昼下がりの日差しがとても気持ちのいい時間です

貴女は居眠りを始めました

安らかな顔を見つめながら僕はこの電車が

いつまでもいつまでも水平線を走っていればいいのにと

溜息をつきそっと目を瞑り幸せの居眠りに

貴女という至福の時間に抱かれながら就くのでした

いつか電車が貴女の所まで着くように祈りながら

一人暮らし

寂しさを抱えた畸形児が

真っ黒なシーツに包まれ泣いている

私のどこにも貴女がいなくて

貴女のどこにも私がいない

駅に迫る電車には飛び込み乗車の選択肢

ぶらさがり健康器には首くくりの選択肢

錆びたナイフには皮膚を切り刻む選択肢

錠剤には致死量未満致死量以上の選択肢

答えは一つではない

だが私には一つしかないのだ

私は何にもなれない事しか私は知らない

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