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肉塊奇譚

どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。

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犬の約束 

僕は一匹の犬でした

温かい家で厳しく躾けられて温かい家なのにもう嫌になっていました

すると小さいけど寒い家の人が僕を大事に育ててくれるというので

友達も主人も全部捨てて寒い家に行きました

寒い家では主人が僕に絵の描き方やバレエの振り付けを教えてくれました

寒い家だと思っていたのに中はとっても暖かくて可愛いお嬢さんがいました

僕はお嬢さんがすぐ大好きになって夢中になりました

お嬢さんは芸術家だったので僕も芸術家になろうと思った

お嬢さんが絵を描きたいというと僕は沢山の絵の具を持って来ました

お嬢さんがバレエを踊るというと僕は振り付け師になって一緒に踊りました

お嬢さんがバレエのステージに立つ時は沢山の人達を連れてきました

お嬢さんの誕生日には一冊のノートをあげました

そのノートに最初に文字を書いたのは僕でした

僕はとても幸せな気分でいました

でも僕は邪魔者だったみたいです

春に遠くで工場が爆発する音がしました

僕達は工場の煙に怯えていました

寒い家の人たちは避難しようとしました

でも犬は連れていけなかった

だから僕を捨てる相談ばかり毎日していました

僕は邪魔者になるなら去ろうと思ってもっともっと寒い家で泣いていました

泣き声はどこにも届かないで寒い家の人たちは行ってしまいました

邪魔者の僕はお嬢さんの心の中にも残っていないと思います

でも僕は未だに寒い家の人たちを思って泣いています

泣いてばかりいられないのでエサ探しはちゃんとしています

エサは中々落ちていなくて僕は毎日お腹が空いています

お腹だけじゃなくて胸もいっつも空っぽで笑っています

そちらは温かいですか?

こちらはとても寒いです

いつかもっともっと大きな爆発が来てみんなも友達もいなくなっても

寒い家の人たちは心にみんなも友達も残して生きていくんだな

そうか、死ぬのは僕らだけなんだなと思いました

僕の泣き声も、僕の振り付けも、僕の絵の具も全部忘れられるんだ

約束もきっともう忘れられてるんだと思います

きっと僕が犬だったから約束を守ってくれなかったんだ

僕、生まれ変わったらちゃんとした人間になりたい

僕、今からでも人間になれるのかなぁ?

今日はとても眠いので眠ることにします

今日は寒い家の夢を見ないで起きれたらいいなぁと思います

おやすみなさい

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2012/01/01 Sun. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

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