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山桜が咲いた

思惑の迷路に迷い込んでから出口も見つからないまま

夜と闇が怖いのは何も見えずに自分を見てしまうからだ

醜悪、醜悪、醜悪、醜悪、醜悪、醜悪、醜悪、醜悪、醜悪

貢物でもしないと貴女の笑顔も見れずの醜悪だ

ただ、こんな醜くも不快な私に笑顔をくれた貴女の優しさ

そして貴女の握ったおにぎりが胃の中で小躍りをするのでした

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天使の敷き詰められた空

遥か南方からの残響は心を抉る

地獄がまた呼び声を発しはじめた午前二時

どこまで逃げても声は聞こえてくるのだなと

打ちひしがれて涙が臨戦態勢に入っていました

午前二時の来訪者は精神安定剤を持って現れた

いいえ、貴女が精神安定剤だったのです

午前二時の来訪者はすべての残響を払いのけ

天使は遠くへ行ってしまったのではない

天使はまだ近くにいたのだと教えてくれました

私は心からのありがとうを胸に

貴女の胸を厭らしく見つめて眠るのでした

空色思い

このまま山手線に乗り続ければ阿佐ヶ谷に着くのだろう

そう思いながらくるくるくるくると回る阿呆は

このまま回り続ければ貴女の所へ届くだろうと

衛星の様に、小蠅の様に貴女の周りをくるくる回るのだ

想いを忘れながら空高く飛びたいと

何もない空を気持ちよく飛びたいと

白痴になって世界を飛び回りたいと

電車から見える景色を眺めて幾ら悦に浸ろうとも

貴女に似た景色が限りなく続くだけなのだった

人魚姫

貴女が夢の中へ逝ってしまわれたので

私も夢の中へ逝ってしまおうと貴女の身体を触りました

すると世界が泡に包まれて貴女は溶けて消えてしまいました

そんな夢に魘された一日は失ったタイミングで構成されます

帰るタイミングも働くタイミングも死ぬタイミングも見失い

虚ろな目でバスから見える曇り空を見て稚児のように泣きそうです

泣くタイミングはいくらずらしても一人ぼっちと共に訪れ

ワンワンと大泣きする私は阿呆です

そして一人股間をまさぐり哂う私は狂人です

感情の海練が大きくなりすぎたので今日は出航停止

思考も停止、心臓も停止、呼吸も停止

ただ、貴女を思う感情だけがただただ大きく揺れるのでした

中国人よ、さようなら

忘れ去られた貴女の缶バッチを背中につけて

それを見ようとくるくる回っていると

貴女とワルツを踊っている錯覚に襲われました

何処からともなく流れてくる音楽は

悲観とも楽観ともそのどちらでも無い様な

五線譜を塗りつぶしていく僕の気持ちなのです

眩暈に酔ったとふらふらの酩酊は幸せな気分です

ずっとこのまま堂々巡りの気持ちが

渦を巻いて渦を巻いて渦を巻いて

それでも貴女は自由に泳いで行ってしまう

私はそれにも気づずバターになって

食卓にものぼれないまま溶けていくのでしょう

それでいいと、心のどこかで思っています

お刺身にしてください

日付変更線にやってきた貴女を滅茶苦茶にしたい

そんな欲望もきっと何処かに存在していたのかもしれません

綺麗事と世迷言に塗れた私は自分の気持ちに感嘆符を撃ち続けます

いくら撃とうと届きもしない砲弾がアルコールで錆びていく

貴女が魚を嫌う様に私は烏賊臭い死んだ魚なのです

愚言だけを吐きだす九官鳥の慣れの果てです

自分の軟骨の唐揚げを突きながら泥沼で溺れて逝く烏賊なのです

下卑た言葉を吐こうとも綺麗な言葉を吐こうとも黒く汚れている

そんな私の想いは空中で宙返りをしながら行方知れずになっていきます

でもそんな想いも桜の下の気持ちだけは午前5時の風に流さずに

こんな気持ちをありがとうと俺の空に溶かして微笑むのでした

ひよこの夢

私は今、ビルの三階に取り残されています

床にへばりつく私の前を時間だけが兵隊の足並みで過ぎ去り

いつしかビルすらも足取り軽くどこかへ逝ってしまって

私だけが三階の空中にへばりつく様に

儚いカラーヒヨコの死に顔で眠ってしまうのでしょう

ヒヨコですら飛べるとは乙なモノだと

私はここで楽しくやっているのだから

貴女はどこででも楽しくやっておくれ

私は独りでいい

空中に投げ出されればいい

人間死ぬ時は独りなのだ

独りになりたい

独りになりたい

そんな思いとは裏腹に脳味噌は無慈悲に貴女を映すのでした

咲いた、裂いた

頭の中でまたキチガイ蝉がジイジイジイジイと鳴いています

そうか、辿り着けない春が来たのかとニヤニヤ顔をマスクで隠し

視線の先は桜が満開で心中察した艶やかな遊女が私を冷たくあしらいます

ここから去るのは何時にしようかと問いかけてくる蝉は

電車の音にかき消されながらも一言だけの希望を言った

その希望にしがみついてどうにか蝉だらけになる夏

兎にも角にも夏までにはアイスクリームを誰かと食べていたい

それはここではないどこかなのだなと、思い込む阿呆が

今日も飛び込めない中央線に揺られながら

秒速5センチメートルで揺れながら堕ちていく

桜の花びらは遊郭の中でなら映えると、僕は思っています

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