もし畏怖だったら
眠気とともに襲ってきた複雑な感情は
貴女の事がどんな物の怪よりも怖いという畏怖の感情なのです
同時にどんな気持ちよりも柔らかく濡れた優しい感情です
気持ちの吐露は脳髄を蝕んでは霞をかけて前すら見えない
送りたい手紙がたくさんあるのにどれも言葉にならない
今日もあの日の返事を待ち続けている私は阿呆でしょうか?
返らずの返事、宙ぶらりんの気持ち
斜めに走った紫色の不安たちは麻布を走るMT車の効果線となり
明治通りを貴女の来るかもしれない町へ走り抜けるのでした
どぶ川のきらめきが僕にとって唯一綺麗な想い出でした。
眠気とともに襲ってきた複雑な感情は
貴女の事がどんな物の怪よりも怖いという畏怖の感情なのです
同時にどんな気持ちよりも柔らかく濡れた優しい感情です
気持ちの吐露は脳髄を蝕んでは霞をかけて前すら見えない
送りたい手紙がたくさんあるのにどれも言葉にならない
今日もあの日の返事を待ち続けている私は阿呆でしょうか?
返らずの返事、宙ぶらりんの気持ち
斜めに走った紫色の不安たちは麻布を走るMT車の効果線となり
明治通りを貴女の来るかもしれない町へ走り抜けるのでした
高田馬場を自転車で走っていた時です
急に雨が降り出して私の顔は濡れて力が出なくなりました
と言っても私の顔にしか雨が降っていないのは何故でしょう
きっと貴女との相合傘の散歩を思い出していたから
そこにだけ雨が降ったのだと思います
遠くへ行ってしまった貴女は逝ってしまったのです
だから私の邪魔をしないでください
巣食った脳味噌から早く出ていってください
涙でびしょ濡れになりながら
そして新しい想いを疑いながらも
赤いおべべのあの娘に教えてもらったお酒が
また、一粒の涙に成り果ててしまうのです
嗚咽を肴に酒のすすむ夜
夜だというのに脳味噌に躑躅が咲いています
心の中では夏を数える歌が響き渡ります
だというのに一人ぼっちだというのです
そんな歪な私はきっと誰にも愛されないのでしょう
そんな歪な私は私自身を愛するしかないのでしょう
最近、妙な夢ばかり見る
一昨日はピンク色の子豚が空を飛び回る夢を見たし
昨日は汚物に塗れてしまった貴女の夢を見た
先週の今頃はというと夢も見れずに夜を彷徨っていた
彷徨った夜の中で見つけた物は
子供の頭蓋と汚れきってしまった女体だけだったし
脳味噌が沸騰してしまって未だに帰れていないのだ
思えばその頃から頭がおかしくなる予兆はしていたのだ
なぜなら私は今、汚物に塗れたピンク色の子豚だし
子供の頭蓋を汚しまわっている女々しい女だし
昨日から右腕がお煎餅になってしまったので
パリパリパリパリと齧る音だけで踊っている
その音につられて鬼の子供が廃墟の遊園地のビラを配り
辺りに漂うのは硫黄の香りと新緑の香りと私の反吐の臭い
あぁ、ここが現実という名の地獄なんだなぁと
吐瀉物になってしまった貴女や貴方、そして自分の臭いに
また吐き気を催してやはり自分は反吐の化身なのだなと
再感しながらまた妙な夢を見ようと惰眠を貪るのでした
筆先から一粒の砂が零れ落ちた
その砂は私の心を透かしている様で怖かったのです
私は誰の為に動いているのか
私は自分の為に動いているのか
私は貴女の為に動いているのだ?
燃料を無理やりねじ込んだ戦車は砂埃すらあげれずに
レインボーブリッジを封鎖せんと立ち往生です
でも総ての砂粒が必ず宙を舞った事があるとは限りません
ただ、ここで二十六年も座り続けている砂もいるのです
私と同じ、自分とは何なのかがわからない砂が何万人もいる
それは安堵なのか恐怖なのかわからないまま
今日も薄いウーロンハイで誤魔化すのでした
足りてもいない頭をいくら引っ掻き回しても
足りていない言葉は何処からも出てきません
ただ、頭蓋の中でカランカランと
貴女の写真、貴女の言葉、貴女の玩具
総てが引っ掻き回される悪夢です
脳味噌は何処へ消えたのか?という問いを投げてみました
その問いは空中でひらりと宙返りをしたかと思えば
宙返りの先には貴女の面影だけがあるのです
これはいい夢なのでしょうか?悪夢なのでしょうか?
思考は今日もアクロバティックな動きをしながら
眠りの街へは帰らずに頭蓋の中を荒らすのでした
「写真の中とはいえ貴女の笑顔がつらい
もう微笑みかけないでくれないか?」
と呟いた
すると写真の中の貴女も現実の貴女も
もう私には微笑みかけてくれなくなった
「私はあなたに殺されるのだな」と
写真を見つめて泣いた
今日も脳みそがバブリシャスです
噛めば噛むほどに貴女の味が沁み出してきます
一口噛めば貴女の笑顔が
それを噛めば貴女の言葉が
それを噛めば貴女の香りが
それを噛めば貴女の肢体が
寝ぼけ眼で膨らませるガムを噛みながら
鼻ちょうちんを膨らませているのは眠いからでしょうか?
いいえ、きっと私の膨らんだ想いがどこか遠くへ
遠い遠い場所で飛んで逝ってほしい
遠い遠い場所で弾けて眠ってほしいと思っているのです